古事記・上巻
アマテラスの岩戸隠れ
誓約で身の潔白を証明したスサノオでしたが、ますます乱暴がひどくなりました。
ある時スサノオは、馬の皮を剥ぐと、機織小屋の屋根に穴を開けて投げ込みました。
これに驚いて転げ落ちた織り女が、尖っていた機具に刺さって死んでしまいます。
弟をかばい続けてきたアマテラスでしたが、さすがに恐れて天岩戸に身を隠してしまいました。
名前 | |
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1 | 女神 天照大御神(あまてらすおおみかみ) |
2 | 男神 須佐之男命(すさのおのみこと) |
3 | 女神 萬幡豊秋津師比売命(よろづはたとよあきつしひめのみこと) |
アマテラスを岩戸から引き出す
アマテラスが隠れると、高天原も葦原中国も闇に包まれ、災いが起こるようになりました。
困り果てた神々は、天安河原に集まって対応策を相談しました。
思慮の神・オモイカネの提案により、常世の長鳴鳥をたくさん集めて一斉に鳴かせましたが、天岩戸は開かず失敗に終わりました。
次に、イシコリドメに八咫鏡、タマノオヤに八尺瓊勾玉に緒を付けた玉飾を作らせました。
その一方で、アメノコヤネとフトダマに占いをさせて、神意を尋ねました。
さらに榊の木を掘り起こし、枝に玉飾と八咫鏡と白い木綿の和幣を垂らしました。
フトダマが榊を捧げ持ち、アメノコヤネが祝詞を奏上しました。
そして、力自慢のアメノタヂカラオが天岩戸の脇に隠れて立つと、アメノウズメが胸をあらわにして踊り狂いました。
それを見た神々は、声を上げて一斉に笑いました。
不思議に思ったアマテラスは、岩戸を少しだけ開けて声を掛けました。
神々は「あなた様よりも尊い神がおいでになったので、喜んで踊っているのです」と答えると、アマテラスは外を覗き込みました。
そこへ、アメノコヤネとフトダマが八咫鏡を差し出したので、アマテラスが身を乗り出した隙に、アメノタヂカラオがアマテラスを引き出しました。
フトダマがしめ縄を張り巡らせて、アマテラスが岩戸に戻れないようにしました。
こうして策は見事に成功し、世界に光が戻りました。
名前 | ||
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1 | 男神 思金神(おもいかねのかみ) | 計画を立てる |
2 | 男神 天児屋命(あめのこやねのみこと) | 祝詞を唱える |
3 | 女神 天宇受売命(あめのうずめのみこと) | 神懸かり状態で妖艶な踊りを披露 |
4 | 女神 伊斯許理度売命(いしこりどめのみこと) | 八咫鏡を作る |
5 | 男神 布刀玉命(ふとだまのみこと) | 八尺瓊勾玉と八咫鏡をつけた御幣(祭具)を持つ |
6 | 男神 玉祖命(たまのおやのみこと) | 八尺瓊勾玉を作る |
7 | 男神 天手力男命(あめのたぢからおのみこと) | アマテラスを天岩戸から引き出す |