古事記

5分で読める「古事記」上巻(5)・天岩戸神話

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古事記・上巻

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アマテラスの岩戸隠れ

誓約うけいで身の潔白を証明したスサノオでしたが、ますます乱暴がひどくなりました。

ある時スサノオは、馬の皮を剥ぐと、機織はたおり小屋の屋根に穴を開けて投げ込みました。

これに驚いて転げ落ちた織り女が、尖っていた機具に刺さって死んでしまいます。

弟をかばい続けてきたアマテラスでしたが、さすがに恐れて天岩戸あまのいわとに身を隠してしまいました。

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アマテラスを岩戸から引き出す

アマテラスが隠れると、高天原たかあまはら葦原中国あしはらのなかつくにも闇に包まれ、災いが起こるようになりました。

困り果てた神々は、天安河原あまのやすかわらに集まって対応策を相談しました。

思慮の神・オモイカネの提案により、常世の長鳴鳥ながなきどりをたくさん集めて一斉に鳴かせましたが、天岩戸は開かず失敗に終わりました。

次に、イシコリドメに八咫鏡やたのかがみ、タマノオヤに八尺瓊勾玉やさかにのまがたまに緒を付けた玉飾たまかざりを作らせました。

その一方で、アメノコヤネとフトダマに占いをさせて、神意を尋ねました。

さらに榊の木を掘り起こし、枝に玉飾と八咫鏡と白い木綿の和幣にぎてを垂らしました。

和幣とは、麻などの繊維で織った神にささげるための布のことです。のちに、絹や紙なども使われるようになりました。

フトダマが榊を捧げ持ち、アメノコヤネが祝詞のりとを奏上しました。

そして、力自慢のアメノタヂカラオが天岩戸の脇に隠れて立つと、アメノウズメが胸をあらわにして踊り狂いました。

それを見た神々は、声を上げて一斉に笑いました。

不思議に思ったアマテラスは、岩戸を少しだけ開けて声を掛けました。

神々は「あなた様よりも尊い神がおいでになったので、喜んで踊っているのです」と答えると、アマテラスは外を覗き込みました。

そこへ、アメノコヤネとフトダマが八咫鏡を差し出したので、アマテラスが身を乗り出した隙に、アメノタヂカラオがアマテラスを引き出しました。

フトダマがしめ縄を張り巡らせて、アマテラスが岩戸に戻れないようにしました。

こうして策は見事に成功し、世界に光が戻りました。

名前
1 男神 思金神(おもいかねのかみ) 計画を立てる
2 男神 天児屋命(あめのこやねのみこと) 祝詞を唱える
3 女神 天宇受売命(あめのうずめのみこと) 神懸かり状態で妖艶な踊りを披露
4 女神 伊斯許理度売命(いしこりどめのみこと) 八咫鏡を作る
5 男神 布刀玉命(ふとだまのみこと) 八尺瓊勾玉と八咫鏡をつけた御幣ごへい(祭具)を持つ
6 男神 玉祖命(たまのおやのみこと) 八尺瓊勾玉を作る
7 男神 天手力男命(あめのたぢからおのみこと) アマテラスを天岩戸から引き出す