古事記

5分で読める「古事記」上巻(17)・海幸彦と山幸彦

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古事記・上巻

ホオリが兄の釣り針を失くす

兄のホデリは海の幸を獲るため海幸彦うみさちひこ、弟のホオリは山の幸を採るため山幸彦やまさちひこと呼ばれていました。

ある日、ホオリは「たまにはお互いの道具を交換しよう」と兄に提案しました。兄は何度も断っていましたが、ホオリがあまりにもしつこく頼むので、結局は渋々交換しました。

早速、ホオリは釣りに行ったのですが、海で兄の釣り針を失くしてしまいました。

ホオリが途方に暮れていると、兄がやって来でお互いの道具を返すことになりました。

この時、釣り針を失くしたことを正直に話したのですが、兄は許してくれず、ただ早く返せと言うばかりでした。

海で失くした釣り針を見つけるのは難しいので、代わりに自分の剣を多くの釣り針に作り直したのですが、兄は頑なに受け取らず、元の釣り針を返せと言うのでした。

名前
1 男神 火照命(ほでりのみこと) 海幸彦
2 男神 火遠理命(ほおりのみこと) 山幸彦

オオワタツミの宮殿へ訪問

困り果てたホオリが海辺で泣いていると、海の神シオツチがやってきました。

シオツチは山幸彦の話を聞くと、竹で隙間のない籠を作り、山幸彦を乗せました。

「この舟で潮の流れに乗ると、オオワタツミの宮殿に着きます。門のそばにあるカツラの木に座っていると、オオワタツミの娘が出てきて、きっとあなたを助けてくれるでしょう」と言いました。

オオワタツミの宮殿に着いた山幸彦は、シオツチに言われた通り、カツラの木の上に座って娘のトヨタマヒメが現れるのを待ちました。

山幸彦とトヨタマヒメは出会った瞬間に恋に落ち、父のオオワタツミからも大歓迎され、二人は結婚しました。

失くした釣り針が見つかる

オオワタツミの宮殿で結婚生活を始めて3年経ったある日のこと。ホオリはこの宮殿へやって来た理由を思い出します。

兄の釣り針を探して返さなければならないことをオオワタツミに話すと、海に棲む生物たちを集めて、釣り針を知らないかと尋ねてくれました。

すると、喉が痛くて困っている鯛がいたので、喉の奥を調べてみると、ホオリが失くした釣り針が出てきました。

オオワタツミはホオリに釣り針を返すと、兄に釣り針を渡す時、「この釣り針は、おぼ針、すす針、貧針、うる針」と唱え、後ろ手に渡すように言いました。
そうすれば兄は3年貧しくなるだろうと教えてくれました。
そして、「もし兄が恨んで攻めてきたら塩盈玉しおみつだまで溺れさせ、謝ってきたら塩乾玉しおふるだまで助けてあげなさい」と言って、満潮と干潮を操る珠を与え、ワニに命じてホオリを故郷に送らせました。

故郷への帰還と兄の服従

ホオリは、オオワタツミに教えられたとおりに釣り針を返しました。

すると兄は貧しくなり、ホオリの元へと攻めていきました。

そこで塩盈玉と塩乾玉でこらしめると、兄はとうとう屈服し、ホオリにつき従うことを誓いました。