古事記・下巻
2人の兄殺し
第20代・安康天皇の弟・オオハツセは、マヨワが兄を殺し、ツブラノの家に逃げ込んだことを聞き、憤慨しました。
このことを兄・クロヒコに報告すると、兄弟でもある天皇の死に驚くことなく、仇を討とうともしませんでした。怒ったオオハツセは、クロヒコを引きずり出して切り殺してしまいました。
もうひとりの兄・シロヒコにも報告しましたが、クロヒコと同じく無関心でした。今度はシロヒコを生き埋めにしようと腰まで埋めた時、両目が飛び出て死んでしまいました。
名前 | |
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1 | 男性 安康天皇(あんこうてんのう) |
2 | 男性 大長谷王子(おおはつせのみこ) |
3 | 男性 目弱王(まよわのみこ) |
4 | 男性 都夫良意富美(つぶらのおおみ) |
5 | 男性 黒日子王(くろひこのみこ) |
6 | 男性 白日子王(しろひこのみこ) |
都夫良意富美と目弱王の滅亡
オオハツセが軍勢を引き連れてツブラノの家を取り囲むと、両軍の間で激しい戦が始まりました。
この時、ツブラノの娘・カラヒメとオオハツセは結婚の約束をしていました。
そこで矢が乱れ飛ぶ中、オオハツセは家の中に向かって、「カラヒメはいるのか」と呼びかけました。
その言葉を聞いたツブラノは、家から出てきて武装を解き、礼儀正しくひれ伏すと、こう言いました。
「娘カラヒメは差し上げます。さらに私の屯倉である葛城の5つの村を添えて献上します。しかし、私を頼って下さった御子様を、死んでも見捨てることはできません」
ツブラノは再び武器を取り、家に戻って戦いましたが、ツブラノ軍の力と矢は尽き果ててしまいました。
ついにマヨワは自分を殺すようツブラノに命じると、ツブラノは御子を刺し殺し、首を切って自ら命を絶ちました。
名前 | |
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1 | 女性 訶良比売(からひめ) |
市辺之忍歯王を謀殺
オオハツセの兄弟が全員死亡し、第19代・允恭天皇直系の御子はオオハツセのみとなりました。
しかし、亡き父の兄・第17代・履中天皇の御子・イチノヘノオシハがいたため、即位することができませんでした。
ある時、韓帒という人が、淡海国の蚊屋野(滋賀県蒲生郡日野町鎌掛付近?)に猪や鹿が沢山いると言っていたので、オオハツセはイチノヘノオシハを誘って鹿狩りに出かけました。
狩りの途中、イチノヘノオシハを射落として遺体を切り刻み、飼葉桶(家畜に食べさせる飼葉を入れる桶)に放り込んで地中に埋めてしまいました。
名前 | |
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1 | 男性 市辺之忍歯王(いちのへのおしはのみこ) |
1 | 男性 韓帒(からぶくろ) |
雄略天皇即位と2人の遺児
オオハツセ(第21代・雄略天皇)は、全ての皇位継承者を倒して天皇に即位しました。
一方、殺害されたイチノヘノオシハには、オケとヲケという幼い2人の御子がいました。
身の危険を感じた2人は大和から逃げ出し、途中で老人に食糧を奪われ、お腹を空かせながらも針間国に辿り着きました。
そして、この地に住む志自牟という人の家で、馬飼い・牛飼いに身をやつして隠れ住むことになりました。
名前 | |
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1 | 男性 意祁命(おけのみこと) |
2 | 男性 袁祁命(をけのみこと) |
3 | 男性 志自牟(しじむ) |