古事記

5分で読める「古事記」下巻(7)・雄略天皇の即位

スポンサーリンク

古事記・下巻

2人の兄殺し

第20代・安康あんこう天皇の弟・オオハツセは、マヨワが兄を殺し、ツブラノの家に逃げ込んだことを聞き、憤慨しました。

このことを兄・クロヒコに報告すると、兄弟でもある天皇の死に驚くことなく、仇を討とうともしませんでした。怒ったオオハツセは、クロヒコを引きずり出して切り殺してしまいました。

もうひとりの兄・シロヒコにも報告しましたが、クロヒコと同じく無関心でした。今度はシロヒコを生き埋めにしようと腰まで埋めた時、両目が飛び出て死んでしまいました。

名前
1 男性 安康天皇(あんこうてんのう)
2 男性 大長谷王子(おおはつせのみこ)
3 男性 目弱王(まよわのみこ)
4 男性 都夫良意富美(つぶらのおおみ)
5 男性 黒日子王(くろひこのみこ)
6 男性 白日子王(しろひこのみこ)

都夫良意富美と目弱王の滅亡

オオハツセが軍勢を引き連れてツブラノの家を取り囲むと、両軍の間で激しい戦が始まりました。

この時、ツブラノの娘・カラヒメとオオハツセは結婚の約束をしていました。

そこで矢が乱れ飛ぶ中、オオハツセは家の中に向かって、「カラヒメはいるのか」と呼びかけました。

その言葉を聞いたツブラノは、家から出てきて武装を解き、礼儀正しくひれ伏すと、こう言いました。

「娘カラヒメは差し上げます。さらに私の屯倉みやけである葛城の5つの村を添えて献上します。しかし、私を頼って下さった御子様を、死んでも見捨てることはできません」

ツブラノは再び武器を取り、家に戻って戦いましたが、ツブラノ軍の力と矢は尽き果ててしまいました。

ついにマヨワは自分を殺すようツブラノに命じると、ツブラノは御子を刺し殺し、首を切って自ら命を絶ちました。

屯倉とは、大和王権直轄の穀倉を表していましたが、後に全国に設置した直轄地を表すようになりました。
名前
1 女性 訶良比売(からひめ)

市辺之忍歯王を謀殺

オオハツセの兄弟が全員死亡し、第19代・允恭いんぎょう天皇直系の御子はオオハツセのみとなりました。

しかし、亡き父の兄・第17代・履中りりちゅう天皇の御子・イチノヘノオシハがいたため、即位することができませんでした。

ある時、韓帒からぶくろという人が、淡海国おうみのくに蚊屋野かやの(滋賀県蒲生郡日野町鎌掛付近?)に猪や鹿が沢山いると言っていたので、オオハツセはイチノヘノオシハを誘って鹿狩りに出かけました。

狩りの途中、イチノヘノオシハを射落として遺体を切り刻み、飼葉桶(家畜に食べさせる飼葉を入れる桶)に放り込んで地中に埋めてしまいました。

名前
1 男性 市辺之忍歯王(いちのへのおしはのみこ)
1 男性 韓帒(からぶくろ)

雄略天皇即位と2人の遺児

オオハツセ(第21代・雄略ゆうりゃく天皇)は、全ての皇位継承者を倒して天皇に即位しました。

一方、殺害されたイチノヘノオシハには、オケとヲケという幼い2人の御子がいました。

身の危険を感じた2人は大和から逃げ出し、途中で老人に食糧を奪われ、お腹を空かせながらも針間はりま国に辿り着きました。

そして、この地に住む志自牟しじむという人の家で、馬飼い・牛飼いに身をやつして隠れ住むことになりました。

名前
1 男性 意祁命(おけのみこと)
2 男性 袁祁命(をけのみこと)
3 男性 志自牟(しじむ)