古事記・下巻
墨江中王の謀反
第16代・仁徳天皇が亡くなると、第17代・履中天皇が即位しました。
即位の祝いの宴で天皇が酔って寝た隙に、弟・スミノエは天皇の地位を奪おうとして、宮殿に火を着けました。
家臣のアチノアタイは天皇を密かに助け出し、難波から大和の石上神宮(奈良県天理市)へ向かいました。
そこへもう1人の弟・ミズハワケが救援に来ましたが、スミノエのように命を狙いに来たと疑った天皇は、「スミノエを殺して戻ってきたならば、必ず会って話そう」と告げました。
名前 | |
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1 | 男性 仁徳天皇(にんとくてんのう) |
2 | 男性 履中天皇(りちゅうてんのう) |
3 | 男性 墨江中王(すみのえのなかつみこ) |
4 | 男性 阿知直(あちのあたい) |
5 | 男性 水歯別命(みずはわけのみこと) |
潔白の証明に兄を謀殺した水歯別命
ミズハワケは直ちに難波へ向かい、スミノエの側近・ソバカリに、大臣の位を餌にスミノエの暗殺をそそのかしました。
これを真に受けたソバカリは、スミノエが厠に入った時に矛で刺し殺しました。
「任務を成功させたとはいえ、ソバカリが主君を殺したのは義に反すること。しかし、その功に報いなければ道理はない」と考えたミズハワケは、スミノエに身分を与えてから殺すことにしました。
そこで、ミズハワケは大臣となったソバカリと酒を酌み交わし、ソバカリが大きな杯で顔が隠れた時に剣で首を切り落としました。
こうしてスミノエの反乱を切り抜けた履中天皇は、64歳でこの世を去りました。
その後、弟・ミズハワケ(第18代・反正天皇)が後を継いで即位しました。
名前 | |
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1 | 男性 曽婆訶理(そばかり) |
2 | 男性 反正天皇(はんぜいてんのう) |