古事記・下巻
兄妹の禁断の恋
第19代・允恭正天皇が即位すると、後継者に第1皇子・カルノミコを指名しました。
ところが、即位前に同母妹・カルノオオイラツメと道ならぬ恋に落ち、カルノミコが詠んだ歌がもとで、2人の仲が世間に知られてしまいました。
当時、母が同じ兄妹が男女の関係を持つことはタブーであったため、人々の心はカルノミコから離れていき、弟・アナホノミコ(第20代・安康天皇)に期待が集まりました。
允恭天皇の死後、危機感を抱いたカルノミコは、大臣・オオマエの館に逃げ込み、武器を用意しました。
アナホノミコが軍勢を率いて館を取り囲むと、オオマエが出てきて「同腹の兄皇子に武器を向けてはなりません。私が兄君をお連れします」と言い、カルノミコを差し出しました。
名前 | |
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1 | 男性 木梨之軽太子(きなしのかるのみこ) |
2 | 女性 軽大郎女(かるのおおいらつめ) |
3 | 男性 穴穂御子(あなほのみこ) |
4 | 男性 大前小前宿祢(おおまえおまえのすくね) |
恋の結末
捕らえられたカルノミコは、伊予の湯(道後温泉)に流されてしまいました。
別れてもなお思いが募るばかりのカルノオオイラツメは、カルノミコの後を追って伊予に向かいました。
再会した2人は喜びにひたりながら、そのままともに自害しました。