古事記・中巻
ヤマトタケルの旅立ち
ヤマトタケルはミヤズヒメと結婚し、しばらく一緒に過ごしましたが、草薙剣をミヤズヒメに預けると、伊吹山の神を討つために再び旅立ちました。
ヤマトタケルは伊吹山を登る途中、白い猪と出会いました。神の使いだろうと考えたヤマトタケルは、「帰る時に殺せばいい」と言ってやり過ごしてしまいました。
しかし、この猪こそが山の神で、怒った神は雹を降らせてヤマトタケルを失神させました。
名前 | |
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1 | 男性 倭建命(やまとたけるのみこと) |
2 | 女性 美夜受比売(みやずひめ) |
ヤマトタケルの死
ヤマトタケルは伊吹山の神の平定に失敗し、やっとのことで山を降りて故郷の大和に向かって歩き続けました。
清水が湧き出すところまで来て顔を冷やすと、どうにか正気を取り戻すことができました。
当芸野(岐阜県養老町)あたりまで来ると歩行が困難になり、杖をついてようやく歩けるほど衰弱してしまいました。
伊勢国の能煩野にたどり着いた時、生まれ故郷を懐かしんで歌を詠いますが、そこで病状が悪化し、息絶えてしまいました。
「倭は国のまほろば、たたなづくあをかき、山ごもれるやまとしうるはし」
大和は最も素晴らしい国、連なる青垣の山々に囲まれた大和こそが美しい。
訃報を聞いたヤマトタケルの妻子たちは、能煩野にやってきて陵墓を築きました。
すると、ヤマトタケルの魂は大きな白鳥となり、天に向かって高く飛んで行きました。