古事記

5分で読める「古事記」中巻(9)・倭建命の死

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古事記・中巻

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ヤマトタケルの旅立ち

ヤマトタケルはミヤズヒメと結婚し、しばらく一緒に過ごしましたが、草薙剣くさなぎのつるぎをミヤズヒメに預けると、伊吹山いぶきやまの神を討つために再び旅立ちました。

ヤマトタケルは伊吹山を登る途中、白い猪と出会いました。神の使いだろうと考えたヤマトタケルは、「帰る時に殺せばいい」と言ってやり過ごしてしまいました。

しかし、この猪こそが山の神で、怒った神はひょうを降らせてヤマトタケルを失神させました。

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ヤマトタケルの死

ヤマトタケルは伊吹山の神の平定に失敗し、やっとのことで山を降りて故郷の大和に向かって歩き続けました。

清水が湧き出すところまで来て顔を冷やすと、どうにか正気を取り戻すことができました。

当芸野たぎの(岐阜県養老町)あたりまで来ると歩行が困難になり、杖をついてようやく歩けるほど衰弱してしまいました。

伊勢国いせのくに能煩野のぼのにたどり着いた時、生まれ故郷を懐かしんで歌を詠いますが、そこで病状が悪化し、息絶えてしまいました。

やまとは国のまほろば、たたなづくあをかき、山ごもれるやまとしうるはし」

大和は最も素晴らしい国、連なる青垣の山々に囲まれた大和こそが美しい。

訃報を聞いたヤマトタケルの妻子たちは、能煩野にやってきて陵墓を築きました。

すると、ヤマトタケルの魂は大きな白鳥となり、天に向かって高く飛んで行きました。