NDフィルターを使うと海面や湖面が滑らかになり、カッコいい雰囲気の写真が撮れるという話を聞きました。
そこで、リーズナブルな丸型タイプのフィルターを購入して、私も挑戦することに!!
相方が使っているND1000は難しそうだったので、ND8とND500の2枚を購入し、練習のために海で撮り比べてみました。
NDフィルターとは
NDフィルターは、レンズに入る光の量を減らすことができる、グレーのフィルターです。
レンズの前にサングラスを付けるようなイメージです。
NDフィルターの種類
フィルターは、ND2~ND100000までの種類があります。
数字が大きいほどフィルターが濃くなり、シャッター速度を遅くできます。
フィルター装着時のシャッター速度の目安
フィルターなし速度 | ND2 | ND4 | ND8 | ND16 | ND500 | ND1000 |
---|---|---|---|---|---|---|
1/4000秒 | 1/2000秒 | 1/1000秒 | 1/500秒 | 1/250秒 | 1/8秒 | 1/4秒 |
1/2000秒 | 1/1000秒 | 1/500秒 | 1/250秒 | 1/125秒 | 1/4秒 | 1/2秒 |
1/1000秒 | 1/500秒 | 1/250秒 | 1/125秒 | 1/60秒 | 1/2秒 | 1秒 |
1/500秒 | 1/250秒 | 1/125秒 | 1/60秒 | 1/30秒 | 1秒 | 2秒 |
1/250秒 | 1/125秒 | 1/60秒 | 1/30秒 | 1/15秒 | 2秒 | 4秒 |
1/125秒 | 1/60秒 | 1/30秒 | 1/15秒 | 1/8秒 | 4秒 | 8秒 |
1/60秒 | 1/30秒 | 1/15秒 | 1/8秒 | 1/4秒 | 8秒 | 15秒 |
1/30秒 | 1/15秒 | 1/8秒 | 1/4秒 | 1/2秒 | 15秒 | 30秒 |
1/15秒 | 1/8秒 | 1/4秒 | 1/2秒 | 1秒 | 30秒 | 1分 |
1/8秒 | 1/4秒 | 1/2秒 | 1秒 | 2秒 | 1分 | 2分 |
1/4秒 | 1/2秒 | 1秒 | 2秒 | 4秒 | 2分 | 4分 |
1/2秒 | 1秒 | 2秒 | 4秒 | 8秒 | 4分 | 8分 |
1秒 | 2秒 | 4秒 | 8秒 | 15秒 | 8分 | 16分 |
2秒 | 4秒 | 8秒 | 15秒 | 30秒 | 16分 | 32分 |
※カメラ側で設定できるシャッタースピードで表記しているため、計算と異なる数字になっている場合があります。
シャッター速度の計算方法
計算方法には3つのパターンがあります。
これを理解しておけば、スマホの電卓機能などで簡単にシャッター速度を計算することができます。
シャッター速度分母数がND数よりも大きい場合
例 シャッター速度 1/4000秒 : ND500 だと 1/(4000÷500) = 1/8秒
シャッター速度分母数がND数よりも小さい場合
例 シャッター速度 1/125秒 : ND500 だと 500÷125 = 4秒
シャッター速度が分数でない場合
例 シャッター速度 2秒 : ND500 だと 500×2 = 1000秒なので16分
NDフィルターのメリットとデメリット
メリット
- 「絞り開放」「シャッター速度を遅くする」ことで起きる白飛びを防ぐことができる。
- シャッター速度を遅くして、被写体をぶらすことができる(滝を絹糸のようにする・水面の波紋を無くす、雲を流す、動く車や人を消すなど)。
- 明るい場所で絞りを開けて背景をぼかしたい時に、適正露出にしてくれる。
- 回折現象を防ぐことができる。*注1
- 2枚を組み合わせて使うことができる(例:ND4×ND8=ND32相当)。*注2
- *注1:回析現象とは、F値を大きくすることで画像の解像力が低下し、シャープさが失われる現象です。
- *注2:フィルターを重ね付けすると、ケラレる場合があるので注意が必要です。重ね付けする場合は、一番濃いNDフィルターを被写体側に付けます。
デメリット
- スローシャッターにする場合は三脚が必要。
- ND32以上の遮光性が高いものは、ファインダーや液晶画面が見えにくくなり、オートフォーカスが使えない。
- 遮光性が高いフィルターを使う場合は、フォーカスをマニュアルにしなければならない。
NDフィルター装着時の写真の撮り方
- カメラを三脚にセットする。
- ISO感度を一番低い数値にする。
- ホワイトバランスはオートではなく、状況に合わせて設定する。
- 露出モードは「マニュアル露出」または「絞り優先」にする。
- 手ブレ補正機能をOFFにする。
- フィルターを装着する前に構図を決め、オートフォーカスでピントを合わせる。*注1
- ピントを合わせた後、マニュアルフォーカスに切り替え、ピント位置が変わらないようにする。
- フィルターを取り付け、リモコンシャッターやタイマー機能を使ってシャッターを切る。
- *注1:最初からマニュアルフォーカスでピントを合わせてもOKです。
撮影例
フィルター無し
カメラ ソニーα5100 レンズ ソニーE18-55mm F3.5-5.6 OSS 設定 F8・1/200秒・ISO100・焦点距離52mm
今回は曇り空ということで、シャッタースピードがいつもより遅くなりました。
とはいえ、水面の泡立ちがハッキリと見えます。
ND8
カメラ ソニーα5100 レンズ ソニーE18-55mm F3.5-5.6 OSS 設定 F16・1/10秒・ISO100・焦点距離52mm
天候にもよりますが、波の様子はNDフィルター無しとあまり変わらない感じです。
ND500
カメラ ソニーα5100 レンズ ソニーE18-55mm F3.5-5.6 OSS 設定 F13・4秒・ISO100・焦点距離52mm
シャッター速度を4秒まで落とすと、水面がかなり滑らかになりました。
私としては、4~5秒がベストだと思います。
しかし、シャッター速度が遅くなるにつれて色被りするのがチョット残念です。
カメラ ソニーα5100 レンズ ソニーE18-55mm F3.5-5.6 OSS 設定 F20・10秒・ISO100・焦点距離52mm
10秒だと大きな波が絹糸状になるので、海の感じが薄れてしまいました。
背景に大きな岩があれば良い写真になったと思います。
ND500×ND8
カメラ ソニーα5100 レンズ ソニーE18-55mm F3.5-5.6 OSS 設定 F11・20秒・ISO100・焦点距離52mm
シャッター速度をここまで落とすと、波も水面もより滑らかになり、サーファーもほとんど消えてしまいました。
カメラ ソニーα5100 レンズ ソニーE18-55mm F3.5-5.6 OSS 設定 F16・30秒・ISO100・焦点距離27mm
1番広角の18mm(35mm換算だと27mm)で撮ったところ、ケラレて四隅が黒くなってしまいました。NDフィルターを重ね付けする場合は、少しズームを聞かせた方が良さそうです。
最後に
水の揺らぎを滑らかに撮る場合、最低でもND500が必要のようです。
私としては満足な仕上がりでしたが、それでも物足りないようであれば、ND1000を使うことをお勧めします。