花を撮影する場合、ニコンの「AF-S DX Micro NIKKOR 40mm f/2.8G」レンズを使うことが多いのですが、マクロ撮影でF値を2.8にしようとすると、なぜか数値が3.0とか3.3とかになっちゃうんですよね。
風景など、遠くを撮る時はF2.8になるので、壊れてる訳ではなさそう。
でも、どうして開放に絞れないのかな?
という分けで、その理由を調べてみました。
40mm f/2.8が開放にならない理由
取扱説明書をよく読むと、「撮影距離によって有効F値(実行F値)を保つように、自動的に絞りを調整(最大約1.2段)します。」と書いてありました。
つまり、ニコン40mmマクロがF2.8にならなかったのは、絞り値が実行F値で表示されていたからでした。
でも、実行F値って何?意味わかんない。
レンズと実行F値の仕組み
じゃあ、なんでF値が変わるの?って話なのですが、その原因はマクロレンズの構造にあります。
マクロレンズのピント合わせはレンズを繰り出して行うので、撮影時に絞りが撮像素子から離れます。
絞りと撮像素子の距離が遠くなると、撮像素子からは絞りが小さく見えるので、実際は少し暗くなっているんです。
その変化を計算し、実際のF値に調整した数字が「実行F値」としてカメラに表示されるので、開放値に設定できないということなんです。
※他のメーカーのマクロレンズも仕組みは同じですが、公称F値をそのまま表示しているので、開放値が表示されます。
被写体に近づくにつれて実行F値が大きくなりますが、風景やスナップ写真のように被写体から離れて撮る場合は開放値で撮ることができます。
実行F値表記になっているニコンのレンズ
実行F値で表示されるのはマクロレンズのみとなっています。
Fマウント
- AF-S DX Micro NIKKOR 40mm f/2.8G
- AF-S DX Micro NIKKOR 85mm f/3.5G ED VR
- AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED
- AF-S VR Micro-Nikkor 105mm f/2.8G IF-ED
- AF Micro-Nikkor 200mm f/4D IF-ED
- AF Micro-Nikkor 60mm f/2.8D
- PC-E Micro NIKKOR 45mm f/2.8D ED
- PC-E Micro NIKKOR 85mm f/2.8D
Zマウントレンズ
- NIKKOR Z MC 50mm f/2.8
- NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S
まとめ
マクロ撮影では、本来のF値よりも実質的なF値が大きくなり、画像は少し暗くなります。
ニコンのレンズは、暗くなったことを親切に教えてくれますが、それがいいのか悪いのか、悩むところですね。